エーゾーン
横関謙治様
「販売だけでなく、マーケティング面でもサポートしてもらっています」
- なぜ、ドリームパートナーズをパートナーとして選んだのですか?
- きっかけは、秋葉原駅構内の催事場で当社商品の「ki-gu-mi」を販売していたところに小椋社長が通りかかったこと。電車の乗り換えで偶然通って、多くの人で賑わう「ki-gu-mi」の売り場に目が留まったらしいのです。そこからが驚きの行動力。その場にいた当社の社員に声を掛けて、すぐに私の元へやってきました。
初対面の小椋社長から「ぜひ御社のki-gu-miを歌舞伎座で販売させてください!」と提案されました。「歌舞伎座で伝統的な和菓子や和雑貨などの店頭販売をしている実績があります」と。当社はそれまで問屋卸がメインで、小売りに進出した経験はありませんでした。
突然の出会い、申し入れでしたが、その場で即決しました。歌舞伎座というとまさに日本文化の発信地ですよね。実は私も「歌舞伎座でki-gu-miを売りたいな」と思っていたのです。
それでも大きな経営判断ではありました。「勇気がいったのでは?」「初めて会った相手とタッグを組むなんて」と言われれば、その通りです。でも、小椋社長の人柄にピンときました。
この歳になると少し話をすれば信頼できる人かどうかわかります。実際、「この人と一緒にやってみたい」と思ったあの日の直感は、間違っていなかったと思います。 - 一緒に取り組まれている事業内容は?
- 当社は、地球環境に優しい素材を使って、作って、飾って、使って楽しめるさまざまな3Dクラフト商材を開発、販売している会社です。
「ki-gu-mi」は当社の主力製品で、ハサミやノリを使わず簡単にカット、組み立てられる木製の3Dパズルです。動物や船、飛行機、金閣寺や東京スカイツリーなど名所的なもの、ディズニーやスターウォーズ、ワンピースとのコラボ商品などさまざまな種類があり、幅広い年代に人気があります。
小椋社長はたまたま通りかかった秋葉原の催事場で、何の事前情報もなく、はじめて見たこの「ki-gu-mi」の魅力を見抜いてくれました。
「ki-gu-mi」はそれまで、卸問屋さんを通じて日本全国の小売店さんで販売してきました。それに加えて現在は、ドリームパートナーズさんと共に、歌舞伎座、新橋演舞場等での店頭販売も行っています。常設店以外でも、小椋社長の発案によってこれまでソラマチ、上野、横浜などの催事場、フェリーの船上や美術館など、私たちでは思いもつかないような場での販売も経験してきました。
当社が商品開発を行い、ドリームパートナーズさんが店頭で商品を販売するという役割分担によって、おかげさまで「ki-gu-mi」の認知度や売上は着実に上がってきています。 - ドリームパートナーズと組んでいかがでしたか?
- ドリームパートナーズは店頭販売のプロフェッショナル集団。スタッフさんの接客スキルは素晴らしく、POP一つとっても一人ひとりが工夫を凝らして作ってくれて本当に勉強になります。
商品を売るだけでなく、私たちものづくりサイドの目線では考えつかないアイデアやノウハウもいただける。もはや欠かすことのできない大切なパートナーです。
でもそれだけではない。私たちにとってさらに貴重なのは、店頭のスタッフさんから上がってくる「お客様の声」です。
社長の私も含め当社のスタッフとドリームパートナーズのスタッフは共通のチャットでつながっているのですが、そのインフラを通じて、日々の接客の中でキャッチした「こういう商品はないの?」「こうなればもっといいんだけど」といったお客様の何気ない意見や要望を細かく伝えてくれるのです。
それまで問屋への卸しか行ってこなかった当社にとって、これは大きなメリットです。販売だけでなく、マーケティング面でも強力にサポートしてもらえるわけですから。
このチャットのやり取りによって、お客様の声を商品開発に活かし、ヒット商品へとつながった例は少なくありません。
- 現場の声を開発に活かした商品とは、どのような商品なのでしょうか?
- 歌舞伎座で人気商品となった「歌舞伎座限定招き猫」は、店頭スタッフの声から生まれました。歌舞伎ファンの方と毎日やり取りをする中で、元々ラインナップにあった「招き猫」に、歌舞伎座らしく隈取(くまどり)のお化粧をしたバージョンを企画してはどうかと発案してくれたのです。パッケージにも特別感のある「歌舞伎座みやげ」と書いたシールを貼って売り出したところ、見事大ヒット商品に。
「お城シリーズ」も、店頭スタッフのアイデアから誕生したもの。「熊本城」「首里城」などをモチーフにし、売上の一部を義援金に充てるという新しい発想は、当社だけでは思いつかなかったと思います。商品開発に「社会貢献」という視点をプラスするきっかけも与えてもらいました。
さらに、店頭スタッフから届く生の「お客さまの声」は、私たち開発側の意識自体も大きく変えてくれました。ものづくりに関わる人間は、良くも悪くも思い入れの強いところがあります。そこに、「今日買ってくださったお客さまが○○な商品があればいいなと言っていました」といったリアルな声が届くと、ものすごい刺激になる。
「自分の発想を形にしたい」というだけでなく、「お客様に喜んでもらえる商品を開発したい」と考える風潮が育ってきたと思っています。
- 今後の取り組みやドリームパートナーズに期待していることを教えてください。
- 小椋社長は、あらゆる業態、業種に精通していて、販売チャネルも数多く持っています。そして何より人柄が魅力で、ざっくばらんに意見を言ってくれる人であり、常に色々なアイデアをくれる人。日本独自の文化と新しいものを融合させ、すばらしい日本文化を世界に発信していきたい、という同じ想いをもつ同志でもあります。
実はまだ店頭では販売していないのですが、「wa-gu-mi」という新シリーズを開発しました。一般的な樹木と比べて成長が早く、農薬などをほとんど使わずに育つエコロジーな「竹」を素材としているのが特徴です。この「wa-gu-mi」は、ドリームパートナーズさんとの出会いで生まれたものです。
この「wa-gu-mi」と「ki-gu-mi」、さらに紙を組んで作り上げる「si-gu-mi」を揃えた、日本文化を発信する直営ショップを一緒に出すことを計画中です。
日本を訪れる外国人にも日本文化の象徴ともいえる私たちの商品を発信していきたい。コロナの影響はたしかに軽視できませんが、そんな夢に向けて今も具体的な話を進めています。
ネット上で買い物をするのが当たり前の時代となっています。でもこんな時代だからこそ、ドリームパートナーズのリアルな店舗での販売スキル、マーケティング面でのノウハウを求めるニーズは今後も底堅いと私は確信しています。
彼らに期待するのは、リアル販売のプラットフォーマーとなってほしいということ。リアルな販売の様子をオンラインで実況中継するなど、小売りの世界にぜひ新たな風を吹かせるチャレンジャーであり続けてほしいと願っています。(2021年5月)
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株式会社 エーゾーン
代表取締役 横関 謙治 様
「文化的イノベーションを創造し、ナンバーOneの時空価値を全世界の人に提供する」をミッションに、エコロジー素材を使った手軽に組み立てられるパズル等の企画、開発を行っている。
https://www.azone.biz